稲荷山大杉(※1)
天喜五年(西暦1057年)
御裳裾を流れる滝名川の清流は心を洗い、千古の老杉が鬱蒼と繁茂する霊場に鎮まります志和稲荷神社は、千年の歴史を伝える東北屈指の古杜にして、生活生業万般に亘り広大無辺の御神徳あらたかな三柱の貴神を奉斎し、その連綿と続く歴史の中で人々の尊崇をあつめ、特に天喜五年に鎮守府将軍源頼義が社殿を再興したのを初めとして、平泉文化の頃は樋爪氏、中世には斯波氏、近世には南部藩主代々に亘り杜領の寄進や社殿の造営を行い、天保五・六年には稲荷街道を開削するなどして敬神の誠をつくしてこられました。
大正七年県社の社格に列せられ、更に昭和三十二年六月神社本庁別表に掲げる神社に指定され、この地方に生を享けた遠い祖先より永遠の生命支柱となって、御神徳を発揚せられ、一切生業を守り災厄、諸難をとり除かせられ、福徳開運家運繁栄をもたらし、生活活動に限りない恩恵をかがふらせ給う一日も欠くことのできない大恩神であり、奥州の地に住む人々は其の霊験あらたかなる御神徳により繁栄を続けて参りました。
(※1)千年の老杉は稲荷神社を表徴し、その歴史の古木を教え、信仰者には延命長寿をこの老杉に祈り白狐の神毛を根本からさがしもとめる風習があります。(周囲14m/高さ45m)
・宇迦之御魂大神(うがのみたまのおおかみ)
保食神、豊受姫神、大宜都比売神(大気津比売神)、と同神で一般に稲荷大神と申しあげ、衣食住の守り神として五穀、魚類、鳥獣、蚕糸、草木に至るまで、すべて大神の「恩頼」(神の恵み)によるゆえからと仰がれ、生活全般の守護神として祀られています。
・猿田彦大神(さるたひこのおおかみ)
大土御祖神とも称し、天孫降臨の際に先導の任にあたられた神である。海陸の交通安全、土地の守護神。
・大宮能売大神(おおみやのめのおおかみ)
天宇受売命、天銅女命とも申して天照大神が天岩屋に隠れられたとき、異様な姿で岩屋の前で舞れたところ、天照大神は何事ならんと思召されて岩戸を開かれて出られし際、御前に侍して大神の御心を慰められた神である。また、天孫降臨の際は猿田彦大神を説き、先導の役目を果たされた神で、神楽舞踊の始祖にして、総じて歌舞音曲、寿命の延長を守り、愛敬の神として、一家の和合、商売繁盛を守護し給う大神。即ち技芸上達、福徳円満の神として祀られています。
家内安全・交通安全・商売繁盛・五穀豊穰・大漁満足・職場安全・学業成就・厄年祓・旅行安全
志和の「おいなりさん」と仰がれて、車のお祓い・厄祓(厄年祓)・合格祈願には特に霊験あらたかな神様として、全国各地から多くの参拝者が訪れます。